せどり(転売)で利益が大きくなってきている方の中には法人化を考えている人もいると思います。
法人化にはメリットとデメリットがあるので、どんな人には得でどんな人には損なのかを説明していきます。
Contents
せどり(転売)での所得税と法人税
法人化するときには所得税と法人税の計算の仕方をちゃんと理解していないと失敗しますので、
まずは所得税と法人税の計算のしかたについて理解していきましょう。
所得税の計算
所得税を計算するにはまずもうけ(所得)を計算する必要があります。
売上額ともうけは違うのでもうけの計算を行っていきましょう。
例えば年間1000万円売り上げたとして、仕入れに500万円、諸経費が100万円かかったとします。
その時のもうけの計算は次のようになります。
もうけ=売上1000万円-(仕入500万円+諸経費100万円)=400万円
更に個人事業主は青色申告特別控除があるので青色申告をしていれば、
最大で65万円の青色申告特別控除が受けられます。
なのでこの65万円を引いた額がもうけとなります。
もうけ=400万円-青色申告特別控除65万円=335万円
もうけが計算できたのでここから所得税の計算をしていきます。
所得税の税率は以下の表のとおりです。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
見てもらって分かるように所得税は利益が上がれば上がるほど高くなり、最高で45%までになります。
先ほど計算したもうけの税金を計算していきます。
所得税=もうけ(所得)335万円×税率20%-控除額427,500円=242,500円
この場合の所得税は242,500円ということになりました。
法人税の計算
先ほど所得税を計算した額で今度は法人税の計算をしていきます。
もうけは以下の通りになります。
もうけ=売上1000万円-(仕入500万円+諸経費100万円)=400万円
法人ですので青色申告特別控除は受けられませんので、これがそのままもうけとなります。
ではもうけから法人税額を計算していきます。
法人税の税率は以下の表のとおりです。
課税される所得金額 | 税率 |
---|---|
800万円以下の部分 | 19% |
800万円超の部分 | 23.2% |
法人は所得が800万円を超えたところから税率が23.2%でストップします。
今回はもうけが400万円なので税率は19%となります。
法人税=もうけ(所得)400万円×税率19%=76万円
法人税は76万円になりました。
このように同じもうけが出ても個人事業主と法人ではこんなにも税金が変わってきます。
せどり(転売)で法人化のメリット
もうけ(所得)が大きい場合は節税になる
所得税と法人税の計算をしてきましたが、税率の表を見てもらえばわかる通り、
所得税は45%まで上がり続けるのに対して、法人税は800万円を超えたところから23.2%でストップします。
なのでもうけが大きくなっていけば法人の方が節税になるということです。
もうけが大きくなってきて、計算してみたら法人税の方が所得税より安いとなった段階で法人化するのがオススメです。
給料や社会保険料などが経費にできる
税金の計算の時、売り上げから引いた諸経費ですが、個人事業主に比べて法人の方が経費でくくれる範囲が断然広いです。
個人事業主ではできませんが、法人では自分や家族の給料、自分の社会保険料や生命保険料も経費に含めることができます。
なので同じだけ利益があっても個人事業主より法人の方が申告する金額は少なくて済みます。
信用度が上がる
法人の方が対外的な信用度が格段に上がります。
法人には資本金があるため、お金を調達することができるということを示すことができます。
これからさらに事業を拡大させるために金融機関から融資を受けたい場合は、
法人の方が圧倒的に有利なので法人化しておきましょう。
セミナーや情報発信を行いたい場合も、法人化していた方がいいでしょう。
単純に個人名より会社名の方が信用されます。
また法人でしか契約できないサービスも法人化することによって契約できるようになります。
せどり(転売)で法人化のデメリット
法人化するための費用がかかる
法人化するにはお金がかかります。
書類を作成したり届け出を行なったりと、設立までには大体20万円~30万円ほどかかってしまいます。
もうけ(所得)が小さいときは個人の方が節税になる
税率の表を見てわかる通り、所得税は最高で45%まで上がりますが、最低だとたった5%です。
対して法人税は23.2%から上がりませんが、最低でも19%です。
なのでもうけが少ないうちに法人化してしまうと多めに税金を払うことになるので気を付けてください。
せどり(転売)で法人化への流れ
定款を作る
まずは法人用の印鑑を作り、定款を作成します。
定款とは会社の取り決めのことを言います。
何をする会社なのか取締役の役員報酬はいくらなのかを定めて書類にします。
取締役が一人の場合と取締役会がある場合とでは定款の作り方が違ってくるので気を付けてください。
公証人役場に行って定款を認証する
定款が出来上がったら公証人役場に行って定款の認証を行いましょう。
公証人役場は登記する予定の地域を管轄している法務局に所属しているところに行きましょう。
自分の登記予定の地域の公証人役場は日本公証人連合会のホームページから調べることができます。
資本金を振り込む
定款の認証が終わったら会社の口座に資本金を振り込みます。
資本金を振り込んだあとは、通帳の記帳欄、表紙、個人情報欄をコピーしましょう。
登記する
最後に必要書類を揃えて法務局に行き、登記を行えば会社設立です。
大まかな法人化の流れは以上のようになります。
またせどり(転売)で法人化するには古物商を取っておく必要があります。
古物商の取り方についてはこちらの記事で紹介しているので、是非参考にしてください。
まとめ
もうけが大きくなってきたら法人化したほうが節税になり、対外的な信用も大きくなります。
事業拡大を目指す方は、法人化していった方がいいでしょう。
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